kokoro-zの日記

心のうちを曝け出す。

【書評】ひとりEC

ひとりEC 個人でも売上を大きく伸ばせるネットショップ運営術 三浦卓也

 

要約

 

①独りECとはECサイト運営を完全にひとりで行なうこと。

②ネットビジネスには受託・広告・物販の三種類あり、ECはそのなかの物販モデルの一つ。

③EC運営は「人を幸せにし利益を得られる」という商売の本質が詰まっている。

④八百屋の営業と同じであり、客とのコミュニケショーンが最重要。

⑤本気でお客様の役に立つことを考え、課題を解決することで信頼を得る。

⑥無駄な作業を徹底して減らし、スマホを使用してテキストコミュニケーションを図る。

⑦商材選び(開発)は「安定生産・コンパクトサイズ・自らが愛着を持てる・少数に厳選・販売開始から商品を育てる意識」が大事

⑧サイト構築は「客への営業・接客」を念頭に置き、メディアコマースをつくりながらわかりやすい文章を心掛ける

⑨運営初期では身近な人から訴求し、はじめの売上を立てるためには広告運用が有効

⑩SNS(特にLINE)はオンライン接客の場と捉え、八百屋の意識で発信と交流を続ける。

 

所感

独りでEC運営する際の心構えから、実践的な取り組みまで真摯に書かれている。ネットビジネスというと、デジタルが身近になった今でさえ胡散臭さを拭いきれない方が多いだろう。かくいう私も「誇大広告で釣る」「炎上商法で認知を得る」といったネガティブイメージを払拭できていない。しかしながら本書は、そんなネット上に抱く疑念を一掃してくれるような清々しさを読者に与えてくれる。独りECビジネスに起因するというよりも、ひとえに「著者の人柄」ゆえの問題だ、と言ってしまえばそれまではある。なにせネット上において、著者は「八百屋商売」を地で行っているのだ。EC、SNSといったデジタルを便利なツールとして駆使しているものの、本質的に「客の役に立ち、その対価として利益を得る」という商売の王道を歩んでいる(そして独りECにその本質が詰まってると述べている)。客の役に立つためにコミュ二ケーションを厭わない覚悟があると言えよう。読みすすめるうちに気付くことは、リアルで商売屋はやりたくない、お客とのやりとりが面倒と思っている人にはひとりEC運営は務まらないということ。逆に、自分が本当に良いと思っているものをお客に伝え提供したいという熱意があり、その努力を続けられるならば、ひとりECはそう難しくないのだ。と、著者の熱が各章、言葉の端々から伝わってくる。一貫して真摯でありながら、ちゃっかり自身のEC塾の紹介を怠らないところもさすが商売人、といったところか。

 

質問

著者はいつ休息しているのか。スマホのLINE機能を用いてお客様対応をしていると、息を切らす暇がないため次第に疲弊してこないものだろうか。もしかすると、著者にとってオンオフという切替概念はないのかもしれない。お客様とやりとりすること自体にハマり、熱中し続けているのだろうと推測する。