kokoro-zの日記

心のうちを曝け出す。

【書評】友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術 末岐碧衣

友達0のコミュ障が「一人」で稼げるようになったぼっち仕事術 末岐碧衣

 

要約

①コミュ障はツール(テキスト)を使い、自己開示(失敗した話・相談)することでコミュニケーションを円滑にする。

②苦手なタイプ(生理的に無理な人・場所・虐める人)を知り、対処法を覚えることで距離を置くこと。はじめから距離を詰めてくる・親切すぎる人は注意。

④取引先とは「また一緒に仕事したい」と伝え半年に一回連絡する距離感がちょうどよい

⑤話下手は瞬発力に頼らず事前準備の徹底と形のある「モノ」を用意。

⑥身だしなみは背伸びせず清潔感の良いものを着る心掛けをする。

⑦人との繋がりを軽視せず、まず身近な存在に信頼してもらうことを心掛ける。

⑧安定した収入を確保した上で、一つに頼らない生き方をする。

⑨単価は謙遜せず自分の値段を決め、名刺に実績を含めて載せる

⑩情報遮断してオフラインの日をつくる・日記を記すなどしてストレス発散する

 

所感

題名には「仕事術」とあるが、中身は著者のエッセイ(失敗からの教訓)と捉えるのが妥当。著者はコミュ障と自称しているものの、実際のところ理系高学歴、ハイレベルな就職先、プログラミングを独力でやり遂げる能力など、随所にスペックの高さが窺えるゆえに、そもそも仕事そのものが出来ず苦しむ人にとっては共感できず、参考にもしづらい。さらに両親の手厚いサポートを受け、一般人では到底考えられないようなビジネス支援を受けるなど、あまりにも環境に恵まれすぎているのだ。冷静に捉えると、仕事術はなくとも才能と環境要因で打開しましたという筋のほうがしっくりくるくらいだ。ただ、赤裸々に痛い失敗談を吐露できる著者の素直さに好感が持てる。本書で説く「自己開示の重要性」部分は彼女の人柄によって説得性を増している。私自身は読後、「身近に支えてくれる人を大切にしながら前へ進んでいこう」という読後感を得ることが出来た。「結局ひとりでは生きていけない」という題名とは逆説的なところに帰結するオチも、ファニーのなかにほんのすこし哲学が混じるようで響くものがあった。

 

質問

本当に友達が0なのでしょうか。文章の素直さから実際は何人かいそうであるし、いなくともこれから構築できるのではと感じました。