kokoro-zの日記

心のうちを曝け出す。

【書評】人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている ふろむだ

人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている ふろむだ

 

読回数

2回

 

要約

①他人が自分に対し持つ、自分にとって都合の良い思考の錯覚を「錯覚資産」と呼ぶ「本書の造語)

②思考の錯覚は認知バイアス(思いこみ)によって引き起こされ、人間は客観的事実より自分の直感を信じるもの。

③錯覚資産を増やすためには、小さな挑戦を繰り返し偶然得られた成功のハロー効果でチャンスを得て、またハロー効果を得る繰り返しをする。

④実力(スキルアップ)→成果→錯覚資産→環境の大循環のなかに錯覚資産→成果、環境→成果の小循環が出来ている。

⑥錯覚資産を増やし実力を怠ると大循環は途切れ、実力のみ重視して錯覚資産を増やすことを怠ると大循環、小循環全てが途切れる。

⑦自らにないプラス価値(強い・美しい・豊か・健康・賢い)を否定することなく、チャンスがきたら他人の能力を利用する心構えを持つ

⑧好きなもののメリットを大きくデメリットを低く、嫌いなもののメリットの小さくデメリットを高く評価する認知バイアスを感情ヒューリスティックという。

⑨「一貫して偏ったストーリー」を語ることで人の魅力を惹きつけ、ハロー効果を作り出す。

⑩主張は「一貫して偏ったストーリー」、自分の人生選択は徹底した「正しい判断」の2重構えでいく

⑪正反対の「一貫して偏ったストーリー」を書き出すことで「正しい判断」がみえてくる。

⑫脳の一貫性・原因・結論を過剰に求める特性が認知バイアスを引き起こすことを知ることで、自身の偏りに気付き、他人を利用する際にも役立つ。

⑬錯覚資産は多次元系の体積として表現でき、指数関数的に増大し、実力と相乗効果で増大していく。

 

所感

読後、すっきりしないものが残る。世の中の真実について明快な論調で進められているが、ほのかに香る胡散臭さが記憶に染みついていくような感覚。本書の論にさっそく洗脳されたせいか、直感を疑いたくなってしまう。この違和感は恐らく、客観的事実のなかにほんのわずか恣意的な論が入っているせいだろう。錯覚資産は卑怯と断じながら効用を延々と語りはじめる矛盾に耐えられないのだ。卑怯なことをすすめるなや! と。一貫性を求める人間らしさを自らに感じてしまったこの瞬間、読む価値があるとは思えた。バイアス関連の用語をあれこれと出しているが、ようは実力以外の運と思考の錯覚を毛嫌いせず、人間特有の思い込みを利用して立ち回れ、何回も小さく挑戦し続けろ。そして騙されんなよ。あとは認知してもらうためにSNS発信はいいぞーということである。そうだよなぁ。そうだよなぁ。

 

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